細胞老化を起こした細胞が，DNAダメージをきっかけに炎症性サイトカイン，ケモカイン，増殖因子，細胞外マトリクス分解酵素などのさまざまな分泌因子を高発現する現象．組織修復にかかわる一方で，炎症反応を促進するため慢性炎症の原因にもなる．（実験医学2023年6月号より）

細胞老化を起こした細胞が，主にNF-κB活性化を介して産生・分泌する種々の液性因子のこと．近年，その誘導には，ヒストンの構造変化によるクロマチン弛緩が関与することが報告された．サイトカイン・ケモカイン・細胞外マトリクス分解酵素などが含まれ，炎症の進展や発がん促進作用を示す．ヒトにとって有害な作用だけでなく，組織の損傷治癒にもかかわる．（実験医学2020年7月号より）

分裂限界になった正常細胞やストレスなどによりDNA損傷反応が生じた細胞老化において，炎症性サイトカインや増殖因子の産生を亢進するようになる現象である．組織修復にかかわる一方で，炎症反応を持続・亢進させることでがんを促進したり，局所への免疫細胞の遊走を促すなど多面的機能がある．（実験医学増刊3715より）

がん免疫療法の個別化を支える新・腫瘍免疫学

河上　裕／編

DNA損傷やがん遺伝子活性化により起きる細胞老化の際に，老化細胞においてNF-κBの活性化が起きることにより，IL-6などの炎症性サイトカインなどの炎症関連遺伝子の発現が亢進する現象．（実験医学増刊3710より）

新時代が始まったアレルギー疾患研究

疾患多様性を理解し病態の層別化に基づく治療を実現する

松本健治，山本一彦／編